岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2015年2月10日

「格差の無い社会に、
 何か良いことあるのだろうか」

 フランスは世界1の観光大国である。日本の8倍も、フランス全人口よりも多い人数の、外国からの観光客を年間に受け入れている。観光客の関心、目的、魅力は何なのだろうか? 宮殿、別荘、美術館、教会堂、過去の王侯貴族、大金持ちが築き上げた遺物である。人民から絞り上げたり、巨大な利益を集めて浪費したり、歴史上では悪名を残すケースの結果に、現代が食べさせて頂いていると、皮肉に思う。皆が並みで平等では、後世に残るような偉大な物が出来ただろうか疑問である。格差が無ければ、美術家の創作も育たなかったろうと想像するのである。
 ギリシャの借金は膨大で、国の収入が無いのに理想の社会保障で、ばら撒いてしまったのである。周りのヨーロッパの国々から改善を求められ、国民は反発して政府を変えてしまった。目下新首相は各国を訪問して、金策に回っている。そのギリシャよりもっと膨大な国家の借金を抱え、貿易赤字は2年半赤字の増えるばかりが、わが国の姿。現在日本人は赤ん坊から超高齢者まで、日本人であれば一人640万円の借金、地方自治体の借金まで含めると800万円の借金を背負っている勘定になる。家庭経済の普通の感覚なら返せるのだろうか、気が重くなってしまう数字である。自粛の節約もせず、外国には振り撒けば、交渉ごとは事が済むという政治家や官庁組織に率いられて、不安なく安穏と暮していられる神経が、分からないのである。

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