岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2014年4月11日

「ヒップライン大博覧会」

 今年のパリには冬が無かった。例年は氷点下も珍しくないのに、気温がマイナスを記録することなく、10℃とか下がらず、雪も見ないでもう桜の満開が終わり青葉で、マロニエの白い花が一杯。その代り地方は冬の間中、集中豪雨と洪水、大西洋海岸では異常な強風と大波のニュースが続いて、異様な対照だった。先週はアルプス山脈に続く東南フランスに震度5以上の地震がおき、吃驚させられた。50年ぶりのこととか、原子力発電銀座といわれる、ローヌ河の流れる地方である。心配だし、フランスには地震が無いとも、言いきれないのを発見。
 しかしとにかくもう初夏のような気候で、自分がファッションの仕事に関係していたころには考えられない、露わな体のラインを誇張して歩く風潮で、恥も外聞もない。どーなっているのだろうと目を覆うばかりのパリである。少なくとも私の洋服を作る技術は、体の線を覆ってカバー、立体で美しく見せるようにと考えたものだが、ぴったりのジーンズ、股引とかわらない黒タイツで、お尻も、股の形もぴったりに、短いウエスト丈の上着であるくのだから、人種によるヒップラインの大競演なのである。東洋系の貧弱なラインではなくて、巨大さに驚くのもあるし、長くスラリと見事さに見とれるのもあり、皆が申し合わせたように一様な姿で、男は挑発、挑戦されているのだろうか。

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