「BO-BO(ボボ)」

 BO-BOと言う言葉が紹介されている。1960年代からある言葉らしいが、近年のある社会層を表す言葉として注目、取り上げられている。フランス語に1440年からBoboと言う語が登場して、「痛いよ」という意味で、幼児用語でもよく使われる。アラン・スーションと言う歌手の「アロー・ママン・ボボ」(お母ちゃん痛いよ)、1981年大ヒットした歌もある。ところがこの現在のボボは、ブルジョア・ボエームの頭文字で使われ、金持ちで、気儘の意味だろうか。純粋にブルジョア階級となると、これもまた社会的制約の多いものだが、それとも違うタイプである。「BCBG」がボンシック・ボンジャンルの頭文字で、パリの16区やヌイイー地区に住む育ちの良い家の子弟たちを表す言葉として、今でも社会のゼネレーション紹介によく使われているが、これに対する言葉のようで「BO-BO」。この人たちが成長した現代的世代を表す言葉だろうか。生活に不自由なく、自分の思うままに、社会の既成概念を嫌って、独立して暮す人たち。結構、知的レベル高く、生活に追われず、ゆとりがあるから、気が向けば環境的クレームや、社会運動にも口を出す。以前のパリは、地区ではっきりと差別があった。西は豊かでリッチな豪邸、東は貧民、労働者の住む地域とされていた。ところがこのBO-BOの人達が、安くて有利に広い住まいが得られるので、社会ステータスに構わず東地区にも住むようになり、近年パリ地図の情勢が変化してきているという。
 この3月は月末まで、フランス中の市長、区長、議員の選挙がある。それで、どう変わるのだろうか、分析予想が盛んなのである。今の新聞は選挙の予想ニュースで埋まり、パリコレフォトがこの数日間と、もう一つクリミヤ半島から再び十九世紀のような、世界戦争の切っ掛けになるのではと、神経を尖らせている。

page2/3