セーブル門大通り
「フランスで日本を売り込め」
「フランスで日本を売り込め」 2011年の暮れに、パリのジェトロ事務所が出した本の題名である。この国で流通機構に乗せて輸出に成功するためには、沢山種類がある専門の見本市を選び、そこにブース出品をすることが、ベストな近道であることを、やっと日本も気付いて出した本である。1月と9月、パリで年に2回、5日間開かれる「メゾン・エ・オブジェ」見本市は、3000ブランドが出品、45%が外国から参加、巨大な8建物に及ぶ、インテリアデザインやグッズの総合見本市で、今ではシンガポールとマイアミでも支店開催を始めるほどの人気である。日本からも100社近くが出品、33社にはジェトロが出品助成金を出し、日本デザイン製品の海外進出を計っている。専門家が仕入れビジネスのために8万5千人世界から集まり、入場料も65ユーロ(約1万円)で、それだけのビジネス価値がある自信のほどで、出品者側もメーカーによっては、飾り付けに巨大な投資をしている。知人の黒石恵子さんが、始めて今回ブース出品しますというので、招かれて出掛ける。今から20年ほど前、一年半パリに洋服デザインの勉強に来ていて、知人からの紹介だった。留学中に織物デザインに興味を持ち、帰国後スカーフデザインで自分の会社を作り、続けていた。昨秋日本で会ったら、薄いシルク地に特殊加工で穴を明け、七夕様の網飾りからヒントを得た、神社の神主さんがお祓いに持つ御幣みたいなスカーフを2001年に創り、注目されて今ではNYのMOMA、サンフランシスコ、シカゴなどの美術館ブチックのグッズとして成功。ジェトロの助成で、初めてパリのメゾン・エ・オブジェにも出品しますとのことで興味あったのである。山形県や秋田県もブースを出し、福島県は28社も送り込んでいる。放射能被害の風評を取り払うため、県が力をいれているようだが、放射能被災を早く抑えることに、全力投入してもらいたいものである。
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