「1076台」

 観光立国、面白い数字が新聞にでている。先年度のフランスの一番の観光客は中国人で、140万人が来ている(バブル最盛期の日本人でも百万人を超えたことはない)。空港の免税取扱い手続きの4分の1は、中国人の買い物である。お土産を沢山買って華やかに成功をみなに見せたがる傾向で、一人平均1500ユーロ(約21万円)の土産買い物、アメリカ人は約半分(約10万円相当)の買い物である。お土産買い物は、中国、ロシア、アメリカ、サウジアラビアの買い物順で日本人は入らない。ところが1日当り一番使うのは日本人で、1日平均197ユーロ(約2万8千円)、ホテルとレストランに集中して使い、中国人の173ユーロ(約2万4千円)を超えて、トップだそうである。
 アメリカの過去の自動車産業の王国デトロイト市が、市政倒産して有名な市立美術館の絵画コレクション、ブリューゲル、ゴッホ、レンブラントなどの絵を競売で売り出して、町を立て直すのだという。自動車産業全体より、文化産業の経済規模の方が、はるかに大きいとフランス人は知って居るが、自動車や電機産業の輸出のために、円安を演出して日本文化を安売りして、知的財産も含め、自分の財産の評価価値を下げて、本当に喜んでよいのか、疑問なのである。
 新春早々、オートクチュールのイブ・サンローランの伝記映画が封切られ、話題である。生涯コレクション出品のオリジナル作品は売らず、服、帽子、靴、5000点以上、倉庫があって、全て整理して、一括保管されているのが驚きである。

2014年1月10日 赤木 曠児郎

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