コンバンション・カッフェ
「1076台」
仕事始め、住んでいる区の新年会に招かれる。もうパリ市では、任期が終わり3ヵ月後に、市長、区長、市議会員選挙である。だから区長さんの挨拶も、通常各事項にわたり40分は延々最低続くのだが、今回は10分で終わる。集まっている人数も何時もより少ない。反対党支持者は欠席して、現れていないのだろう。シャンパン、おつまみは充分に出されていて、もう選挙戦は始まっているのを感じる。
大統領が社会党に代わって、1年半たつ。真面目にやれば、税金を徴収して採算を合わせるより仕方ないのだから、早速1月1日から消費税は上がるし、公共料金、何でもアップである。減税は公約するが、この二年の間に84種もの新税を創設して、収支は合さなければならない。失業は一向に減らず、不人気はこの上ない。しかし470万円の収入しかないのに、930万円振り撒いて自分たちの予算で使い、借金は後世に残してアベノミックスなんて澄ましているのと、どちらが正解なのかは分からない。フランス人の賢いのは、選挙に一方を勝たせると、次に必ず反対党を入れて、バランスを取ることである。これを浮気症というのだろうか、そうではなくて、民主主義において、自衛する手段をよく心得ている結果だと思う。一方に凄く調子がいい法律を作れば、在野になった時、今度は逆に自分の首をしめるからである。近所に居る選挙のまとめ家のボスみたいな人の顔をたてて、折り合いだなんて言っていては、弱いものは毟り取られてしまう。選挙民、自分のことは、自分で守らなければならないのである。
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