岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2013年5月10日

「岡山・札幌・東京・パリ」

  郷里岡山で過ごして、札幌に回る。気温が低いのに岡山の人より薄着で、すっかり春めいたスタイルである。岡山では、寒いところに行くのだから、風邪を引かないように用心をと、さんざん忠告されたのが嘘のようである。その上に札幌では、地下大通りが完備して、人が地上の路面を歩いていなくて、閑散としている。地下道に入ると、まるで大阪の心斎橋通りみたいな人混みで、せっせと人が活動していて、地下にもぐってしまった土竜のような街である。近年の変わりようは、こんな一等地の地上路面に面した商店の、家賃の値下がりだという。
東京に出ると、豪華なビルの林立である。次々とまだ生まれ変わって、工事がやまず凄い活気の町だなと、地方から現れた身には、どうやってここの人達の生活に入って行けるのだろうと、ビビって恐ろしくなってしまう。人間が一杯で、みんな何か目的を持って動き、街は綺麗に清掃されているのが、他の国の都会と比べても目立つ。地震や放射能の恐怖も、隣国からの核攻撃もわれ関せず、全ての富の集まった享楽の天国を感じさせられる都会である。

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