バルセロナ広場のベスパジエンヌ
「震災イベント花盛りなパリ」
パリ市立シャトレ座劇場で4日間開かれた、「鼓童」グループの、坂東玉三郎さん演出「打男」公演に招かれたが、4階天井桟敷までギッシリの人、太鼓や竹琴のリズム、ボディビルに鍛えられた見事な若物メンバー達、フィナーレ総立ちの猛拍手、玉三郎さんも登場、興奮の波、大成功であった。1977年にピエール・カルダンさんが「鬼太鼓座」をパリに招いて初紹介、人々を注目させて以来、そのグループの現在の姿がこの公演とか、真物の正統性に厳しいのがパリジャンである。それにしても、安易に太鼓を聞かせれば日本的、劇団、オーケストラ楽団より経費安上がりという、類似の余興タイプ氾濫も昨今。また、お太鼓と、アイディアの無さに食傷気味なのも本音である。
パリ装飾美術館のホールで、3日間だけ開かれた「和生」WAOと呼ぶ展覧会、経産省と内閣官房知的財産戦略推進事務局の合同展というので吃驚、お役人はお金を使うことを思い付く天才である。経産省の方はクールジャパン戦略推進事業というのだそうで、日本の伝統工芸業界から、海外に進出紹介されたい1500点の応募を集め、内150点を選び、世界に紹介巡回展示。内閣官房の方は人間国宝10人の作品を1人1点、10点での世界に巡回展示。日本伝統美の紹介の2つが、パリだけ集まって合同展示されたのである。後ロンドンとニューヨークに、またそれぞれ分かれて巡回展示だとか。日本の美の感覚、優秀さを世界に認識させる努力だそうだが、折角ある日本貿易振興機構のパリ事務所は、無関係らしい。
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