ガンベッタ通りの映画館
「画像の秋」
映画祭も盛んで、写真も、映画も、このフランスで発明され、発達したものであるから、元祖として重さが違う。第7、第8芸術…として扱われ、学校をサボる不良の溜り場とは、決して思われないで、文化省までも力を入れる。各地方の文化振興催しに映画祭も多いが、日本もフランスでの日本映画祭を開いている。もう6回目になり、年一回だから6年目だが、新人、新作の日本映画を数本集めて、フランスで上映、一般投票で賞を出すコンクールである。パリ北方のオワーズの谷県、この県には日本企業が72社も進出、大阪府と姉妹提携県でもあり、記念事業にと始めた。この映画祭本部は郊外都市セルジー市にあり、あまり知られなかったが、大使館の仲介で近年、パリ日本文化会館も手を借すようになって、少し知られてきた。変な名前だが、「キノタヨ」賞という。映画のことが「キノ」であり、日の出ずる国、キノ太陽賞のつもりだったのか、日本人の間では「金の太陽」賞のつもりだったとか、とにかくローマ字の映画祭登録が、「キノタヨ」なので、今回堂々と「第6回キノタヨ現代日本映画祭」と、名乗っているのがすっきりした。新人映画監督にとっては、海外への紹介のチャンスを開いてくれる、誠に有難い事業と感謝されている。11月8日、パリ日本文化会館の大ホールで、オープニング宣言。会場満席で、知られてきたなと感じる。29日までここと、フランス各地の協力映画館で、6本の映画がコンクール作品に選ばれ、順次上映、投票されるが、他に8本の推薦紹介映画もある。開幕式には、河瀬直美「朱化の月」、カンヌ映画祭にも選ばれ、奈良の風景が美しい作品だが、観念的で訳が分からず、終わった後、残念ながら拍手も少なかった。招待だから、みんな我慢したというところだろうか。昨年は「最後の忠臣蔵」で、すぐDVDは無いかと、買う気になったのと大違いであった。
2011年11月10日 赤木 曠児郎
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