煙突
「チャリティラッシュ」
仕事に邁進、自分の時間を大切に引き籠るといっても、パリ日本館からの寺尾館長さんからのご案内には、出かけた。パリ国際大学都市の中に1929年から建っている学生寮会館である。薩摩治郎八氏の個人寄贈によるもので、別名サツマ館とも呼ばれる。今は学生の寮費だけでは当然不足なので、日本国も運営資金をだしているし、藤田嗣治の大きな二点の装飾画のあるのでも有名である。新潟大学から昨年赴任の、新館長さんのアイディアで、「境界を越えて」というテーマで美術コンクールを開かれたのである。川俣正さんという、現代アート作家が、現在パリの美術学校の教授なので、この人が審査委員長である。15人の作品が選ばれて合格、インスタレーション作品というのだろうか、庭の木に巻きつけたり、映像を映したり、立体の仕事ばかりで、平面はフォトまで、キャンバスに描いた絵なんて合格作品は一点もない。半分は美術学校の自分の教室の生徒からの応募だったそうだが、現代の若い美術学生さんたちの仕事に興味あったので、仕事を止めて出席したのだった。館長さん曰はく「フジタ2点だけでなく、続いて館の美術コレクションを、持つべきと考えて企画したので、2回、3回とつづけます」。皆さんに作品実現のための賞金が手渡され、美術学校時代の、学校のコンクールを、懐かしく思い出した。
2011年5月9日 赤木 曠児郎
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