ピレネー古ランプ(II)
「新聞を開く」
もう一つ、清水貴博君のアコーデオン演奏会にも足を運んだ。昨年パリ日本文化会館で、新人紹介水曜コンサートにも出場したのだそうだが、岡山市妹尾の出身で34歳。20年近くこちらに来て学校に行き首席卒業、ジャズアコーデオンで知られていると後から聞かされ機会を待っていた。先週パリの場末庶民街のカフェホールで開くとの案内で、地下鉄で1時間近く掛かって出かけたのである。19世紀に栄えたカラオケの前身みたいな音楽ホール、居酒屋ゴゲットが化石みたいに残っていて素晴らしい雰囲気だった。表通りを見ただけでは、カフェの奥にこのようなホールが今時残っているとはとても気が付かない。19世紀パリの研究家、喜安朗先生の喜びそうな「関の酒場」が息づいているのである。そこでパリ庶民の代表楽器、シャンソンに欠かせないアコーデオン演奏、メトロの終電車まで岡山弁で居てしまった。
3月21日には岡山の城下公会堂というところでリサイタル、それから太平洋岸を回り、来週はもう仲間と日本に出発です、とのことだった。
2011年3月10日 赤木 曠児郎
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