岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2011年2月7日

「マグリブ世界に火が噴いた」

 地中海沿岸の北西アフリカ諸国のことを、マグリブ地方と呼び、同じイスラム諸国でも、中近東の国々とは、区別されている。
食べ物で言えば「クスクス」と言う麺系の料理がご馳走なのが特色で、羊の串焼きがご馳走の国々とは違う。同じアラブ語でも、みんな地方々々によって方言がある。しかしいずれの国も、豚肉は避けられていて、絶対に口にしないし、出されると侮辱されたことになるのは共通。牛ステーキも歓迎されなくて、絶対に羊である。牛が主体の西欧、豚がご馳走の中国、そういう区別をすると、日本は魚ということになる。
昨秋、チュニジアから民衆革命が火を噴いて、大統領が逃亡。
このようなことは、時期をそろえたように連鎖するのが歴史の例で、と思っていると、今はエジプトである。5年前に泊まっていた、カイロヒルトンホテルの前広場が中心で、連日のようにテレビに映り、あーッ、あそこだと思う。現在はインターネットで情報が流れるので、防ぎようがないのが、特徴だそうである。19世紀は、フランス革命から始まって、次々と民衆の幸せをもとめて、パリから革命が何回も起こり、伝播した。100年以上もかけて、錯誤、模索の結果が、現在のフランスの社会保障の制度や、国民保険で、社会主義に近い形で、皆の生活が守られ、助け合っている。

page1/3