モンマルトルのシャンソンキャバレ
/ ラパン・アジル(2)
「早春のパリ」
「ベルシー」フランス財務大蔵省のことで、建物のある地区名からの呼び名であるが、大臣からの記者会見通知で出かける。 大蔵と、国土開発大臣の共催で、昨年度のフランスにおける海外投資受け入れの記者会見。この国では誰でも外国人記者カードの身分証明さえあれば、大新聞の支局長も、フリー記者でも身分は一緒である。専門記者会などあるが、専門となると管轄省庁など、興味もないのに出席拘束されるから、逆に不自由。行きたいときに自由に出席できるのが、オープンで有難い。日本の縄張り争いみたいな、記者クラブ制の方が異常にみえる。財務大蔵大臣室の脇の、記者会見ルームに100名ばかり集まっている。どうせ資料は一杯もらえるし、翌日のフランス各紙には出るから、どうでもいいようなものだが、庶民のフランスと違った、国の組織としてのフランスは、出席して直接大臣の顔々や、運営される方を拝見しないと、味わえない別のものがある。ベレー帽やシャンソンだけのフランスではない。昨年一年間にフランスが誘致に成功した海外企業は639社、29889人の雇用が新設されたと発表。一昨年よりは少し下がるが、近年10年で上位の数字、悪くない結果とみなされる。さて、不況話しの多い日本、それでも24社が、昨年度フランスに新進出、1824人の雇用創立、悪い方ではない。現在、全体では516社、5万8千人の雇用を、日本企業が創出しているとの発表だった。京都の光学計測機械の堀場製作所、ユニクロ、それから保育園産業のNESSが昨年進出の目立ったものとしてあげられていたが、日本もそんなに冷え込みばかりでもないらしいと、元気に帰ってきたのだった。まだ中国より多い。
2010年3月10日 赤木 曠児郎
page3/3
≪BACK