岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

2010年2月5日

「2月は逃げる」

 アッという間に1月は終わって、もう2月の日々である。今年は旧正月の元日と、バレンタインデーが重なって、どんなことになるかと思うが、大切なのは2月2日であった。キリスト教の祭日暦では、「聖母お清めの祝日」である。プレザンタションの日とされて、マリア様のお産の不浄が明けて、幼児キリストをつれて始めて、教会に奉献の祝日、「お宮参り」というところだろうか。フランスの田舎には、この日にクレープを焼いて食べる風習があって、片面焼いたところで、片手に金貨、片手にフライパン持って、上手くクルリと引っくり返すと、その一年はお金に困らないと信じられている。ナポレオン皇帝は、絶対に欠かさなかったらしい、諺にまでなって残っている。
 この日の目覚めに、マリア様にお願いのお祈りをすると、脚が伸びると少女たちは信じていて、お清めの祝日の言葉を唱えたものだと、むかし言葉を教えてくれた知人がいた。みんな日本人には聞き捨てにできないが、今からではもう遅い、一年先のことである。

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