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「何でもありのパリ」

 10月30日に、クロード・レビー・ストロースが亡くなった。哲学者なのか、人文社会学者なのかよくわからないが、「悲しき熱帯」という1955年に出した本は紀行文学の傑作として、世界に知られ文学者の中にも入っている。有名なサルトルの、実存主義という哲学が、第二次大戦後大流行しポピュラーだが、これを批判して木っ端微塵にし、構造主義という哲学ブームを、西欧思想界に打ち立てた人としても知られている。構造主義理論というのは良く分からないのだが、言葉だけは有名で、その中心的な人が、100歳で亡くなったというので、報道や特集が庶民には溢れた。ビオと呼ばれる天然自然食品の最近の大ブームや、2006年6月シラク大統領の作った、パリのブランリー河岸博物館、世界の原始民族美術品を集めて話題、人工の極致のような科学技術にたいして、原始、土俗がわれわれに今うったえ掛けてくるモードの仕掛け人、元祖の一人に上げられる現代思想の、最後の巨人だったのである。

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