グレ・シュール・ロアンの黒田清輝通り(1)-白
ジャクマール・アンドレ美術館
 

「五月の陽気のパリ」

 一日だけ、ルーブル美術館のホールで、京都と大阪の「関西の伝統美」の夕べが開かれた。今年は日仏交流150周年とかで、記念行事がフランスでは300近く、日本でも同じように開かれるので、何かしらイベントが多く、1997年の「フランスにおける日本年」以来のことである。10年前まだバブルの残影の時代の日本だったが、あれからの日本は引け引けで影薄く、今は中国の全盛、日本の円も安くなってしまって、経済力も低い評価しかされていない。日本人の頭の中だけ、まだ昔の夢の名残りの積もりでいるみたいな、変なズレが各所にあった。これではならないと10年振りにまた元気を出して、波がまた盛り上がってきているのかなと思う。文楽がパリ公演に来た機会に、関西の宣伝イベント、場所は休日のルーブル美術館、押しかけた人たち、弁当までふるまわれ、人間国宝の演じる人形浄瑠璃の一幕を見て、大満足であった。

2008年3月7日 赤木 曠児郎  
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