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「新しい年」 パスツール研究所の制作の間、パスツール地下鉄駅から往復していたのだけれど、地下から上がった大通りグリーン地帯にクリスマスの一週間前からテントハウスが建ち、何だろうか、冬の間の慈善サービスでも開かれるかと思っていたら、側の道路に大型冷蔵トラックが数台並んで駐車確保、クリスマスイブ、クリスマス当日は六台と物々しい。パリジャンが行列で、ピエール・エルメという、1998年から出来て10年目、人気お菓子屋さんの、ビュッシュと呼ばれる、棒状薪の形にチョコレートを塗られ、小人人形などを飾ったフランス風クリスマスケーキの予約注文の、品物受け取りのためのテントだった。東京の青山表参道や、デパートの地下食品売り場にもコーナーのある、近年話題のケーキ職人の店だそうだが、気になったので六区区役所脇、カルチェラタンにある本店の住所に行ってみた。3度前を通っていたのだけれど、気が付かない3メートル足らずの間口で、アクセサリー屋さんか、ファション小物屋の店のような飾りで、宝石のようにお菓子が飾られて、お菓子屋さんとは程遠いイメージなので、気がつかなかったのだった。この小さな通りの小さな店に人が押しかけたら近所迷惑だから、なるほどと理解したのだけれど、まあ大変な人気なのだと驚いた。フォーションというマドレーヌ寺院広場の有名だった食料品店のケーキ主任で十年間、天才と言われていて独立したのだそうだが、とにかく凄いものである。クリスマスの後5日間テントは休んで、そして年越しの日にも開いて受け取り行列。今はもうテントもたたまれて、元の道路にもどっている。この目で見て通っていたのだから間違いない。フランス人の習慣で、ワインも飲むけれども食事の終わりは、デザートの甘いものを口にしないと食事が終わらないのである。お祝いの集まりだけはせめて豪華にという気持ちは、世界中同じなのだろう。以前は一斉にレベイヨン、クリスマスやニューイヤーパーティに、特別メニューの広告が出されていたが、近年は殆ど見ないのにも気が付く。出掛けないで、家や仲間で過ごすと言う。
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