デファンスの新凱旋門
デファンスの新凱旋門
 

「日本円」

 設備投資を進め、経済活性化のための政策なのだそうだが、要は車や電気製品の輸出を有利にして、老人とか弱者のみなで負担しているわけである。日本のマスコミは円とドルの関係ばかりを対象に報道して言うので、世界第二の通貨ユーロに対して、日本円は半値近くになっているのを、みんなもあまり気にしていない。数年前100円で買えたものが、今は170円出さないと買えないのである。だからここで端数の値上がりでも、日本の物価は安定しているから大変な値上がりに響く。日銀が毎月経済の短期観測を発表し、金利はその儘という度に、対ユーロの円相場はまた下がるのである。
 以前はヨーロッパ人にとって、日本は高嶺の花、手が届かなかったけれど、ユーロが高くなったので、日本への観光旅行は行きやすくなって、小泉前首相の日本の国際観光振興にはそっている。日本製品も国際競争力が出来て、売りやすくなったのだろうか、世界最古で、百貨店の元祖のオー・ボンマルシェ百貨店では、夏休み明け9月一杯は「東京」がテーマである。ツモリ・チサトというデザイナーを起用して、白地に赤のてんとう虫模様で、地下鉄広告とか、全館ウインドウ装飾、デコレーション、TOKYOの字がおどっている。3階フロアー中央全部には、ヤング向けの5000円以下くらいの、ド派手な東京製、現代ヤングの東京センスの商品が並んでいる。シックで地味なパリ好みに対照的な、目をむくような白地に赤丸のデザインで、ファッション小物に、青山、赤坂、麻布など名前がつけられ、お久しぶりの日本登場。それでも嬉しいことで、とにかく近年は中国ばかりが主流だったのだから。

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