クリメー通りの吊り橋(2)
 

「新大統領のフランス」

 日本も少し景気が回復してきているのだろうか。このところ急に日本からの海外催しが増えてきた。先々月の歌舞伎だけではない、東京の芸大付属高校生が70名も来てオーケストラ演奏会があったり、六本木男性合唱団の公演だとかもあったり、美術展の院展も大作40点近くを展示、オープニングに300名ものファン応援随行団体が日本から。演劇、舞踏、とにかく次々にいろいろと開かれる。こんなことはこの15年間はあまり無かったのである。バブルが弾けて、退け、退け、縮小切り詰めばかりが主流の気分で続いてきたから、整備がついて一息、周りを見回すゆとりが、日本に生まれてきているのだろうなと感じさせられるのである。
 日本空白のあいだに、韓国の大進出があり、終わって、今は中国の大進出である。文化も大いに利用される。先日もわが家の近くのユネスコ本部の大ホールで、中国の世界無形文化遺産加入を記念してのギャライベントが開かれ、文化首席も登場の大掛かりなものであった。無形文化遺産の品物を展示し、豪華カタログを作り、中国各地のユネスコ無形文化遺産に指定された民族的演芸で構成されるショーだった。現在経済大成長を続ける中国の、本腰入れた並みではないイベントで、日本文化の源流が長安の昔から、全部ここにあったのだと再認識、日本人の私としては少し尻がこそばゆかったのであるが。

2007年5月7日 赤木 曠児郎  
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