テラスからのパリ
 

「初夏のパリ・2006」

 パリから20キロはなれ、電車で20分ほどのベルサイユに出掛ける。季節よく、お城と庭園に押しかける、観光客やピクニック客で一杯だが、お城の広場の外側向かいに、大きな昔の厩舎が二つあって、移動の足だった訳だから巨大な構内である。中には馬車博物館もあり、絵や写真で見るのでなくて、本物の側に立ってみると、大きくて、飾りに凝ったものだったのが、良く分かる。
 3年前、2003年からここに馬術学校が誕生して、40頭の馬と、現在14人の生徒、それの世話をする人達がいる。時間を決めて調教大ホールで、ショーも演出され、若いフランス女性の生徒たちが、乗りこなして見せてくれる。まだ一般にあまり知られていないが、良き時代の趣味、ベルサイユならではの穴場である。
 北海道にも公演に行ったそうだが、毎年アビニヨンの演劇祭やパリ郊外で、大がかりな馬を使ったショーを公演して大人気を集めている演出家バルタバス氏、彼がこの学校を開いて、生徒の中から素質のある人はチームに採用されるのだそうで、宝塚演劇学校の乗馬版みたいなものらしい、それで端正な美女が集まっている。日本公演で流鏑馬に興味をひかれ、いま訓練中で、もうすぐキュードー(弓道)ショーとしてフランスに紹介される予定と説明される。

2006年6月10日 赤木 曠児郎  
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