「封筒騒ぎ」
近年はフランスの郵便局も様変わりで、郵便局が封筒や袋を作って売出し、封筒に割引き切手料金が直接印刷されていて、この封筒を使えば、封筒と切手代を考えると15%から20%くらい割安になり、切手を郵便局の窓口に買いにゆくと、こちらを使えと商人並み、やたら熱心に勧めるし、ポスト代が局用無料だからダイレクトメールで勧誘まで送りつけてくる。ただし、官製で単純な一重の封筒だけで、確かに届くのだろうが、味のないこと。外国用も切手料金と優先郵便物と普通の白封筒に印刷されている横長サイズだけしかなく、昔からのフランス独特、A4四つ折り用、絵葉書きの入る少し四角い矩形の外国向けサイズは作られていない。
普通でも丁寧に凝ったひとは、中にグレーの薄紙が透けないように二重に入ったものを使い、これに続き厚手の紙の白無地の一重の封筒、安物が再生紙か何かで内側に透けないようグレーが無地印刷されたもの、これで金持ち度が計られる。事務用はクラフトか、グレーやベージュの色紙の再生紙、外国向け航空郵便封筒は、目方の掛からぬよう薄紙で工夫された二重封筒があったのだが、考えてみればジャンボ貨物機でドンドン運ばれるから、郵便料金体系も、あまり目方を気にしなくても、国内も外国もあまり差がないように変わり、郵便の船便がもう消えていたのだった。
労組が反対するので、みんな国家公務員身分には、まだ変わりはないが、郵便貯金も「郵便銀行」が今年に発足したばかりで、公社、民営化はフランスでも時の流れ、長く行列させ、サービスは悪いが、営業成績を問われるような時代にはなっているらしい。
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