岡山市出身でフランスのパリを拠点に活躍する画家、赤木曠児郎さんから月に1回程度「パリ通信」を送っていただいています。

ラチュイユ小道6番地の内庭

【近況】

6月8日〜11月28日迄の六ヶ月間、パリのノートルダム寺院の前広場の地下にある、パリ市立カルナバレ美術館別館「地下遺構発掘美術館」に、25点の油彩と40点の素描原画で「アカギのパリ40年」の展示が、パリ市により開かれています。
日本人として初めて、1979年にカルナバレ美術館で展覧会を開いた、パリを描きつづけるアカギの、渡仏以来四十年の仕事を記念する回顧展です。
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≪既刊≫

『パリ画集・21世紀始まりのころのパリ』
マリア書房刊
ISBN4-89511-347-7
6,500円+税
この8年くらいかけて描いた、約100点の最新作素描原画を収めています。

「新書版・私のファッション屋時代」

900円+送料
株式会社 第一出版センター(担当・大崎さん)
TEL(03)3235-3051
FAX(03)3235-0158
または、展覧会場でのみ発売
 
2004年7月23

「バカンス」

  6月30日で学校が終わって、もうみんな夏休み。2ヵ月のバカンスのパリである。フランスではカトリック教による年間祝祭日が多いけれど、バカンスはもう歴きとした聖なる行事で、1936年当時成立した左翼政権によってサラリーマンへの有給休暇が制度化されて以来、フランス人にとっては宗教より大切で神聖、一番目の色の変わる重要行事となってしまった。
  今では年間5週間の経営者には頭の痛い有給休暇、バカンス前に、バカンス後にと夏を挟んでこの国の生活リズムを支配している。ストライキや権利闘争を進行していても、7月に入るともうソワソワと都会を離れ、何処かに消えてしまい、9月までは日常は戻ってこない。何処でどう過ごすのか、日常を離れ、定められた仕事を忘れ、自然の中に戻ってリフレッシュというのがパターンのようである。大体みんな一斉にスタートするから期待の予定地に行くまで結構ラッシュとなり、何もそんな苦労してまでと思うのだが、ハイウェーなどノロノロ運転や事故のニュースばかり、車の空いたパリで空気も澄んでのんびりの方が有り難いのだが、こんなことを言うのは、それも出来ない貧乏人か、変人のボヤキである。

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赤木曠児郎氏 略歴
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