「新緑のパリ」
十五分おきに休まず日本各地に向けて出てゆく電車の新幹線。考えてみれば、飛行機料金なんて安いのではないか?すぐ何万円となるJR料金を払ってチケットを買い、駅弁を買って、乗っていると、飛行機の割引のエコノミーなんかで乗れば、もうこの料金なら東京からモスクワの上空くらい、食事や飲み物まで提供されている頃になると思ってしまう。飛行機会社って割に合わない、いやJR料金が大変高いのだと、財布からどんどん出てゆく電車代のチケット代に、距離や時間を比較しては、計算してしまう。それをまだどんどん使って人が気軽に動いて、日本列島を走り回ってビジネスにしている日本人の姿、携帯を片手に新幹線を乗り降りする人々の動きに妙に感心して、日本経済を心丈夫に思ってしまうのである。
ちょっと家族のことでとか、義理の挨拶にと、六百キロ、七百キロの距離を、気軽に移動できる電車社会日本、その出費があたりまえに対応できる所得層のある日本に感心し、個人の出費は痛いかもしれない、しかしみんな手土産の袋を手にして、そんな風習を日常化している日本の生活振りに、経済力のある国の豊かさを、感じてしまうのである。
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