「黄色」

　パリ日本文化会館は明年1月までの「現代のロボット文化展」で、わずかに対抗している。日本の先端大企業が参加し、ロボット実演の日もあるし、「鉄腕アトム」などのアニメ映画名作、これにはフランス人も興味と、関心を示している。明和電気なんて知らなかったが、ロボット楽器の開発をしている中小企業だそうで、人間は10人ほどの会社チームバンドで、制服作業着で開いたロボット楽器コンサートは3日間連日満員、大拍手だった。平生のクラシックでは、見たこともない若いフランス人たちが、くちコミで噂を聞いて集まってきていて、これこそ人々が日本に求めているイメージと、熱気に巻かれたのだった。
　10月末に「ロン・チボー音楽コンクール」60周年記念コンサートが、シャンゼリゼ劇場であった。1943年ドイツ占領下のパリで始まった、若い人のためのピアノとバイオリンの音楽コンクールで、第二次大戦後は国際コンクールとなり、フランスで開かれる音楽コンクールとしては、一番知られている。三年に一度づつ、バイオリンの年、ピアノの年とあり、三年目は優勝者の記念コンサートがオーケストラと一緒に開かれる。優勝者には賞金もあるが、二年間ソリストとしてのコンサートプログラムが世界中で一杯、若い演奏家にとってはたいへんなことなのである。500人くらいの応募があり、カセットで絞って150人位の候補者がパリに集まり、10日間の実技勝ち抜き審査、3位まで入賞する。パリの滞在は、コンクール協力家庭があって、応募者を引き取り滞在させ、その交流で、また家族応援もするという、いいシステムが出来上がっていて、このコンクールのスポンサーに1986年からは日本のフジテレビも参加、フランスのBNP銀行との二社の、メセナ資金援助で続けられている。