ノートルダム・ド・パリ
 

「パリの町はどこの石?」

 セーヌ河左岸、パリ南部の一帯の地下20mから25mの間に砂が固まって出来た砂岩層があって、これを切り出して使ったのである。ノートル・ダム寺院のような教会も、前世紀初頭までのアパートも、この石で作ったのであるが、この石はナイフでも削れるくらいの加工し易い石で、1967年までまだ掘り出して使っていた。だからパリの現在13・14・15区あたりの地下には石切り場の地下空洞が沢山あり、マンションやアパートを買う時には地下地図の確認も必要とされている。つい一週間前、2月15日に13区の幼稚園の校庭が、地下20mの大穴が開いて落ちこんで、幸いスキー・バカンスの週で人身事故は無かったが、またパリの地下空洞の問題がマスコミや人々の話題になっている。
 新しい地下鉄の路線を、そのまた下の地下30mの層に掘っていてズルズルと起きた事故なのである。その近くのアパートビルも危ないと、補強工事の間6週間住民避難となった。しかし時々起こるのでそんなに珍しいことでもないが、とにかく質問の証明にはなる。地下10mまでの層が、下水道、パーキング、地下室、地下15mの層に最初の地下鉄線が掘られ、地下20mの層に近年の高速郊外地下鉄線が走っているのが、パリである。

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