パリのキオスク
 

「11月のパリ

 いまフランスは11月1日のカトリックの祭日、日本のお彼岸にあたる万聖節をはさんで学校は2週間の休日である。秋のバカンスで田舎の墓参りなど兼ねて人の移動も多いが、エール・フランスのパイロットが4日間のスト通告が報道された。もう来年中には国営から民営化される計画なので、直前にストライキは取り止めと引き下げたが、一番人の移動の多い稼ぎ時に、困らせるようにやるのである。みんな反対もしないし、ストは容認して日々は流れて行くのが、パリ名物のようなものである。少々の不便は忍んでも、ストライキ、街頭デモ行進でも、意見の言えない社会の方が、もっと恐ろしいことを知っているからだろう。

 パリに本部のある、OECD経済協力機構の中の、「経済発展センター」部会が設立40周年になるので、この40年の経済動向まとめのレポート300ページの本を出版した。
 日本の役所は、マル秘なんてつけて資料、レポートを隠したがるが、こちらの国際機関では、ユネスコでも、どこでも自分たちの仕事を、やっているところを認めてもらおうと、まことに積極的である。うっかり行くと、ドサリーッと資料の山を手渡されたり、送りつけられたりする。仏文、英文、到底全部目を通すこと不可能なので、印刷物とコピーの紙の山、役所公害ではないかと思うほどである。40年間のまとめ、というので記者会見に行った。

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