淵本 文枝

午前中は里庄町立図書館へ。



12月25日(月)まで『岡山の妖怪画展〜あやかしの世界へようこそ』が開催されています。

これは動物画家、越山洋三氏が描いた妖怪画の、新作も含めた18点の展示です。
体の動き、骨格のつくりなどを考え尽くした上で、架空の生き物である妖怪の姿・形を造形しているのは、やはり動物を研究している専門家ならでは。観察力と理論で描かれた素晴らしい作品ばかりです。

実は里庄町は妖怪に縁のある町です。日本で初めて妖怪事典を出版した博物学者の佐藤清明(さとう・きよあき)は里庄町出身。以前、円珠院の『人魚のミイラ』が話題になりましたが、これも清明が残した資料がきっかけで現存が確認されたと言う経緯があります。今回は、佐藤晴明が記した妖怪を越山氏が実際に描いています。

それにしても、じーっとこの絵を見ていると、今にも動き出してこちら側に飛び出してきそうで、やっぱり不気味です!

本物のように、筋肉や産毛までもが鼓動とともに波打ち、動きそうです。
明日土曜日、午後1時半から里庄町立図書館2階視聴覚教室で、第4回清明を読む会『妖怪を描く〜岡山の伝承をビジュアル化する』を、講師に今回の絵を出展した越山洋三氏を迎えて開催します。佐藤清明が伝えた妖怪を動物画の専門家が描くとどうなるのか、ぜひ参加して確かめてみてください。入場無料です。

午後は倉敷市玉島中央の羽黒(はぐろ)神社へ。


今、羽黒神社では月替わりの御朱印が人気を集めています。

神職の福田祐子さんが、大学の教育学部で美術を学んでいたということもあって、御朱印のデザインから制作まで全て福田さんが手がけています。

神社の拝殿の屋根に飾られている烏天狗など、神社や季節にちなんだ絵柄を版画で表現しています。

彫刻刀やカッターナイフで削ったゴム板に絵の具をのせて色を刷り重ねていきます。鶴に乗った仙人、社紋モチーフのもの、県指定重要文化財の奉納刀を実物大で再現したものもあります。
今月は参道入り口にある狛犬をデザイン。兆という文字が金色に輝いています!
今では県外からも御朱印をいただきに毎月訪れる人もいるそうです。

福田さんがひとつずつ丁寧に刷っていくので、現在は1週間待ちになっています。後日受け取りに来るか、郵送も可能だそうです。初穂料は1000円。参拝して御朱印をいただいて、玉島の風情ある街並みをめぐってみるのもいいですね。