やかげ郷土美術館・山の小さなパン屋さん「ベアーズ オーブン」
2021年05月07日
小雨の中、今日は矢掛町を訪れました。
まず、やかげ郷土美術館へ。
現在、矢掛出身のかな書家・田中塊堂と、同じく矢掛町出身の洋画家・佐藤一章の収蔵品展が開催されています。~6月13日まで。
もともとこの美術館はこの二人の収蔵品を展示するために造られたとか。
1000点以上ある収蔵品から51点がお披露目されています。
春から夏に向けて季節を感じられる作品を集めたそうです。
田中塊堂は詩情表現豊かな作品が多く、絵のような書を書く書家です。
良寛の歌っていた手毬歌
つきてみむ 一二三四五六七八九の十春は かぞへてこれの手毬を
毬のはねる様子がわかるような躍動感のある文字の並びです。
那智の滝
神にませば まことうるはし 那智の滝
うるはしの「し」が滝の水の流れとなって、力強さを感じます。
佐藤一章は東京美術学校を卒業。在学中から数々の展覧会に入賞。
3度も中国に渡り、東洋人が描く西洋画を模索してきました。
岡山大学の特設美術科を創設した先生でもあります。
柿の木を描いたこの絵は、墨の様な黒の幹や枝が複雑に交差して、東洋的な色彩と線が表れている作品です。
他にも、この時期ならではのバラの花や紫陽花など優しい作品や水彩画などもあり、生まれ故郷ならではのラインナップです。
偉大な芸術家を生んだ町、矢掛なのですね。
午後は、少し山のほうに。
車で5分ほど北西に進むと、矢掛町西川面というところがあります。
宇山という小さな山の中腹に、3月28日オープンしたかわいいパン屋さんを訪れました。
その名も「ベアーズ オーブン」、山の小さなパン屋さんというのがぴったりなお店です。
なだらかな石段を下りると、小さな屋根に小窓があって、窓の下にガラスケースが設えてあり、いろんな種類のパンが並んでいます。窓から顔をのぞかせてくださったのが、オーナーで店長の石井祥子さん。
山の緑に囲まれたここのロケーションに魅せられて2年がかりで建物やお庭をリノベーションしたそうです。
鶯のさえずりを聞きながら、焼きたてのパンを選ぶなんて、心が満たされます。
常連さんも毎回楽しみにやってくるよう。
隠れ家的な山のパン屋さんでした。