5月15日(水)午後8:00~8:57
京橋クルーズ 復活!犬島航路にかかる期待
4月26日。岡山市北区京橋に半世紀のときを越えて客船が就航した。運航するのは岡山京橋クルーズ。表町商店街と天満屋が出資する新会社だ。瀬戸内国際芸術祭の期間に合わせて、11月まで、京橋から岡山市東区犬島と瀬戸内市牛窓を一日一往復する。
かつて京橋には、小豆島や高松などと結ばれた複数の航路があった。船を降りた人たちは、程近い表町商店街に足を運び、千日前で映画を見て、天満屋で買い物を楽しんだ。水運の時代、京橋は岡山市街地の玄関口だった。しかし、自動車が普及し始めた1960年代半ばに航路は廃止されてしまう。時を同じくして岡山駅周辺に大型商業施設が次々と進出。岡山市街地の賑わいは分散化されていった。もう一度京橋を蘇らせ、表町商店街に令和の時代の新たな活気を呼び込む足がかりを作るのが、京橋クルーズに課せられた使命。社長に就任した黒田浩一氏率いる京橋クルーズの挑戦が始まった。
新船就航の知らせを万感の思いで聞いたのが犬島の島民だ。犬島にも、かつて京橋から定期船が寄港していた。しかし、航路は廃止され、岡山市街地に直接出かけることは出来なくなった。高齢化で島を出ること自体が少なくなった島民を黒田社長はクルーズ船で京橋に招待した。久しぶりに船窓から目にする旭川の風景に涙する島民の姿が、そこにはあった。
京橋の船に憧れた幼少時の思い出の風景を克明に描き出し、市民の郷愁を誘う画家。
牛窓本土と前島を結ぶ生活道であるフェリーを存続させる資金を得るため、このプロジェクトに参加した船員。京橋で交錯する人間模様も描く。
写真=京橋クルーズが運航するTHE INLAND SEA SETOUCHI