1月22日(水) よる8:00~8:54
死刑囚への手紙~娘を殺された父の思い~
こんなことが起きるなんて、まったく予想もしていなかった。娘はいつも私と
相前後して家に帰ってくるため、毎日妻に、「みさくんは?」と尋ねることに
していた。「まだよ」の返事に少しがっかりしながら2階に上がったことを
覚えている。まさか、この時すでに娘が殺されているなんて想像もできなかった。
岡山市の加藤裕司さんは2011年9月に当時27歳の長女「みさ」さんを失った。
みささんは岡山市内の会社に勤めていたが、元同僚の男にナイフで殺害され
遺体をバラバラに解体され捨てられた。男は去年2月、岡山地裁で死刑判決を受け、その後、死刑が確定し死刑囚となった。
誰もがいつ犯罪に巻き込まれるかわからない。加藤さんは犯罪被害者の立場を理解してもらおうと決心し、事件・裁判を通して何を感じていたのかを手記に綴った。私たちのカメラの前で涙ながらに娘が殺されことを知ったときのことを語った。
加藤さんは今、娘を殺した死刑囚へ手紙を書いている。娘を刺殺し遺体をバラバラにした死刑囚に会いたいという。そこには裁判だけではわりきれない遺族の思いがあった。
写真 = 娘の墓前に手をあわせる加藤裕司さん