中華そば 冨士屋

奉還町にこないと岡山のラーメンは語れないと石原D。

昭和20年代の半ばから30年代にかけての奉還町は、 映画館やパチンコ店がひしめき、大いに賑わいました。

昭和25年。
この町に、新しい味のラーメン店が現れ、瞬く間に、買い物客、遊びに来た人、近所の学生や行員さんでごった返す人気店に成長したのです。
戦後派の岡山ラーメンの歴史は、この奉還町から始まったといっても過言では ありません。

岡山のラーメンの原点。あっさり系の岡山ラーメンの源流。
中華そば「冨士屋」こそ、万人に愛され続ける岡山ラーメン、王道の味なのです。

20150626-fujiya1.jpg

石原D、スープ釜を指さし、「時代に合わせてスープの味を少し補強しているはず。」

先代の末本頼雄さん が 築いた冨士屋の味は、薄い豚骨スープと醤油ダレがほどよく溶け合った、"旨み"で 満足感を与えてくれる一杯です。
実は、二代目と三代目の手で、進化していました。

冨士屋では、一番出汁 と二番出汁をとって後から合わせるという日本料理さながらの製法でスープを作ります。
旨みがぎっしり詰まったスープは、時間がたつと、大量の脂が浮かび上がります。
その脂をとる一手間が大事と石原D。
分離した脂から、さらに精製してラードを作り、チャーシューの煮汁が入った醤油ダレと併せます。

ちなみに、醤油は岡山県内の醸造所で調合した特製品。
最後に、煮こごりになっていたスープを沸かして液体に戻し、合わせます。

具はチャーシューとメンマとネギ。これぞ中華そば。
気負いの無い、シンプルな佇まいです。

20150626-fujiya2.jpg

冨士屋の麺は「22番」という符丁で、3cmの幅の中で22本麺がとれる、実はこれが今の岡山のスタンダードなんだそうです。

冨士屋の麺を基準に岡山の麺は成り立っていると言っても過言ではないと石原D。

石原D「三代目、ほんとに美味くなってるよ。嘘じゃないよ」

二代目典子さん「今新しいお店はホントにいろんなメニューが出てくるから、ただただ昔なつかしい味だけじゃ、とてもじゃないけどダメですね」
形はかわらないけど中身は充実していく、でも冨士屋の味からあまり離れない味。
岡山のラーメンの原点は、変わらないけど変わっている。
老舗って、守るだけではダメで攻める、変えていく、でもかたちは変わらない。

老舗の「のれん」の重さを感じたと締めくくった石原Dでした。

店舗情報

店舗名
中華そば 冨士屋
営業時間
11:00~20:00
定休日
毎週水曜日
駐車場
3台
住所
岡山県岡山市北区奉還町 2-3-8
交通手段
JR岡山駅より徒歩5分
お問い合わせ
086-253-9759

地図