活動報告 2日目

【海編】海を守る!日生町のアマモ場再生活動

【海編】海を守る!日生町のアマモ場再生活動

岡山の海を守るための活動!まずは、海編!備前市日生町にあるひなせうみラボで、「アマモ場再生活動」について学びます。日本で最初に「アマモ」の再生活動を行った日生町。そもそも「アマモ」ってなにか知ってる??

全国に先駆けて「里海づくり」に取り組んできた備前市日生町。
その取り組み内容について、日生町漁業協同組合の天倉辰己専務理事に教えていただきました。

「里海」とは、人の手を加えることで海の環境が整い、生態系が豊かなものになっていく循環システムのことです。日生町では、「アマモ場再生活動」による里海づくりに40年近く前から取り組んでいます。

「アマモ」は、魚やイカの産卵場所になったり、小魚のかくれ場やエサ場になったり、水質の浄化、栄養分の再配分、酸素の供給などの役割を持つ、魚たちにとっても海にとっても、とても大切な場所です。

しかし、生活排水や埋め立てなどの影響でアマモは激減しました。アマモが少なくなることにともなって、魚の量や種類が減ってしまったそうです。
そこで日生町漁協では、アマモを再生するための活動を始めました。はじめた当時、ほとんどなくなっていたアマモも、今では最も多かったときの半分近くまで回復しています。
「今あるアマモを減らさないように守っていくためにこれからも再生活動を続けていく」と、天倉専務に教わりました。

【海編】漁船でいざ海へ!アマモ場を観察しよう♪

【海編】漁船でいざ海へ!アマモ場を観察しよう♪

机の上で「アマモ」の話を聞くだけでは分からないことも。ということで、いざ海へ!天気がいい、干潮、海がにごっていない…「アマモ」がきれいに見える条件は、かなり多いそうです。さぁ、きょうはどうでしょう!?

実際に日生町漁協が再生に取り組んでいる「アマモ場」を見に行ってみよう!
みんなは漁師さんたちの漁船に乗って、アマモ場へGO!

はじめての漁船にみんなワクワクのクルージング。
海風を受けながら、約20分で大多府島の入り江に到着。
船の上から海をのぞくと、びっしりと生えている緑と茶色のアマモが見えます。

「わ~いっぱいアマモが生えてる」「表面にツブツブがあるよ!」
船から身を乗り出して、切れたアマモ「流れモ」を回収する子も。

アマモ場のまわりでは、小さな魚も見つけました。
たしかに、いいかくれ場になりそう。
ぷくぷくぷく。
出てくる泡は、光合成するアマモの酸素か、小魚の呼吸か。
魚の姿は少ししか見えなかったけど、アマモのまわりにはたくさんの生き物がいるような気がしました。

帰り道、船はカキいかだへ。
アマモ場を再生している漁師さんの中には、ふだんカキの養殖をしている人もいます。
魚だけでなく、海の環境にも重要な役割を果たすアマモ。
いいカキを育てるためにも、大切にしていきたいですね。

【海編】アマモポット制作 ~自分たちにもできることを~

【海編】アマモポット制作~自分たちにもできることを~

アマモの再生活動に少しでも役立ちたい。子どもたちにも、アマモの苗を育てる体験をしてもらいました。
種から苗に育てるための「アマモポット」を制作!

ひなせうみラボにもどり、アマモの種から苗へと育てるための「アマモポット」の制作体験をしました。
指導してくださるのは、NPO法人里海づくり研究会議の田中丈裕事務局長。
日生町のアマモ場再生活動に最初からかかわっている、アマモ再生のスペシャリストです。

まず、ペットボトルに砂を入れ、水を注ぎます。
それからアマモの種を分けてもらい、植え付けていきます。

ちゃんと種が入ったかな?
ペットボトルを振ったり傾けたりしないように!
みんな楽しそうにポットづくりに取り組んでいます。

植え付けが終わったペットボトルは自宅に持ち帰ります。
早ければ12~1月頃に芽が出るそう。

「芽が出たら、日生の海に植えるから持ってきてください。」

楽しみですね♪

学びのポイント

「アマモ」は魚にとっても海にとってもすごく大切!

隊員のノートをチェック!

【山編】海の栄養は、山の土にあり?山を観察!

【山編】海の栄養は、山の土にあり?山を観察!

岡山の海を守るための活動は山編へ!海を守るのに山が関係あるの?…あるんです!落ち葉がたくさん積もった山の土を観察してみよう。

備前市吉永町にバスで移動し、三国地区の森へ。
ここでは、「森の語り部」として知られる、三国地区財産管理区の藤原さんから、里山づくりの活動について学びました。

まず、みんなは森に入り、落ち葉の積もった土を観察しました。
山の土は、私たちが普段見ている土とはずいぶん違います。

「表面の落ち葉は葉っぱの形のままなのに、下の葉っぱは粉々になってる!」
「葉っぱの下の土は湿っていて、ミミズがいた~」

積もった落ち葉の下の土には、虫や微生物、菌が生息しています。
それらの生き物が様々なものを分解して、養分たっぷりの「腐葉土」をつくっています。
山の土に養分がいっぱいなのは、土にすむ生き物たちのおかげなのですね。

土の観察の後は、近くの川の様子も見ました。
「雨が降らなくても、川に水が流れているのは何ででしょう?」。

藤原さんは、豊かな山は、地下水として養分いっぱいの水をたくわえ、少しずつ川に流しているということも教えてくれました。
山は、川を通じて海に、水だけでなく、栄養も運んでいるんですね。

けれど、一見、豊かに見えるこの山も、少しずつ荒れてきていると言います。
豊かな海につながる、豊かな山を守るために、私たちに何ができるのでしょうか。

【山編】海と山のつながりを知る

【山編】海と山のつながりを知る

山と海は川でつながっている。もっと詳しく藤原さんに話を聞きました。海を守るためには山を守ることも必要です。

山の観察を終え、藤原さんから「里山づくり」のお話を聞きました。

「山に降った雨は、いったん木の葉や土にたくわえられます。
窒素やリン酸、カルシウム、マグネシウム、マンガン、イオンなど栄養いっぱい!
その養分たっぷりの水が川に流れ、海まで流れていきます。さっき外で見たように、山と海は川でつながっているんですよ」と、解説してくれました。

みんなは、顕微鏡で山の土に含まれている糸状菌や放線菌を観察。
「こんな小さな菌たちが、分解して養分を作っているんだなぁ」と想像します。

藤原さんは、森のいらない木や枝、ツルを切り、地面の日当たりをよくする等、「山の手入れ」をすることの大切さを教えてくれました。

「里山づくり」とは、山の手入れをして、山を育てること。
海と山は離れているけれど、里山を守ることが、里海を守ることにもつながるのだと学ぶとともに、山の手入れをする人が減ってきているという問題についても学びました。

学びのポイント

海の栄養は山からも来ている!

隊員のノートをチェック!

活動マップ

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