「さすが人影の少なめのパリの街角で」

パリ・ファッションウィークがあった。若い頃には目の色をかえて、それを記事にするのが全てだったが、今は殆ど無関心で時が過ぎて行く。町に何でもあるからで、ブランドやデザイナーの個性の個展ではあっても、ビジネスとしての「流行」がなくなって、早く知り、遅れないようにする必要もなくなっているからである。春先の今、町中で絵を描き、通り過ぎて行く人を眺めていて言えるのは、脚に細いぴったりジーンズ姿一辺倒だったのが大分減って、春先7分丈のコートに、黒いナイロンストッキングに短いスカートと短ブーツ、または黒いタイツに短ブーツの姿が目新しく登場している。パリジェンヌに手軽で気に入られているのであろう。黒でなくては駄目で、逆に肌色のナイロンストッキングなど着けて闊歩されると、外れた感じがする。

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