「異常気象下の日々」
1929年パリの大学都市構内に日本館が開かれて90周年になり記念パーティに出掛けた。まだ当時の日本政府にはそんな国際協力の考えはなくて、薩摩治郎八さんという個人の寄付で全部建てたので、薩摩館という呼び名でも有名なのである。結局最後には薩摩さんは巨大な全財産を使い果たして、建物は最初から寄付してフランスの物、運営は日本政府が資金を出しながら維持されている。日本国が海外に持った文化施設の最初、第一号がここなのである。パリに留学する学生のための寄宿設備で100名足らず住めるが、7割が日本人、三割は諸外国の寄宿生を入れ国際交流が図られる決まりである。この大学都市キャンパスには、同様の各国からの寄付や基金から寄付の建物が40建物集まり、全体で6000人の学生が居住している。ここの他にもいろいろな施設がパリにはあって、全体で5800室12000人の諸外国からの留学生や研究者が短期滞在できる受け入れ設備があるそうで、素晴らしい機構、日本にもこんな発想あるのだろうか。
吉本興業に所属する漫才のキングコング西野亮廣39歳は、絵本作家「にしの・あきひろ」としても10年前から活躍していて、「えんとつ町のプペル」と言う絵本は、日本で37万部売る大ヒット、世界5カ国でも出版され、今回はフランス語版も出るので3日間、エッフェル塔上の貸しホールで発表展示とパーティを開いた。1人でこつこつ描くのではなくて40人の専門スタッフを動かして、デジタルで仕上げるのだから、絵描きの個展の感覚ともまた違う時代に生きているのだなと感じさせられる。パリで開くと言うので若い吉本応援団20名も日本から引き連れて賑やかな乗り込みキャンペーン。最近のエッフェル塔は、押しかける観光客の行列で、チケット買うのも面倒で住んでいると行くこともないが、行列に並ばずに入れるというので、久方ぶりに招待されて出掛けてみた。そんなパリ在住仲間に、塔の一階にある会場で大勢出会って「やー、お久しぶり」のパーティだった。
2019年11月11日 赤木 曠児郎
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