「まだ続く黄色いベストのパリで」

1月1日から毎年のように、殆どの公共料金が値上げされる。預金の金利は下がっても、上がらないのだから、お金を預けても実質は目減りしているのと同じである。それで庶民の購買力上昇の政治を答えるとは、随分矛盾している。税金は下げると約束はされるが、有るものを下げて見せても、結局お金は必要なのだから、新しい新税を作って集めるだけのことになる。政府、国会議員、役人たちがお手盛りで、仕事を作って見せているだけのことに思える、自分たちからも節約して欲しい。「黄色いベスト」に手を通してみようかという気になるのも、尤もなのである。物を壊して快感の連中とは法外で、一緒にはなりたくないが。

新年が終わった早々、もう大特売週間が幕開けである。消費税徴収の関係があるから、年中自由に何時でも大特売が出来ないのがフランスの制度である。年二回、日数をきめ、期日を決めて、その間だけ30%引き、50%引き、それ以下まで下げて在庫一掃の販売で、期日が終わるとまた正札の値段にもどる。だからみんな客の方も手に入れたいものを予定して待っている。特に今年は週末土曜日毎の「黄色いベスト」デモ騒動で、繁華街の年末商店街はウインドウ、ガラスを割って襲われたりしないよう、店を閉めたり、板を張って保護したり、年間売り上げの3分の1を占めると言う12月の売り上げが2割減3割減、大痛手なのである。この1月の特売期で取り戻そうと、みんな必死の気配を感じさせられる。

近頃、パリの商店街で目立つのは、中国人の経営のネイルサロンの新開店。先日も理髪店に行こうと思ったら、やめてネイルサロンが入っていて、それも近所に2軒、3軒同業が並んでいて驚く。東洋人の顔のネイリストが並び、理髪店の大きな椅子が備え付けられている新風景である。それからわれわれ庶民街では、マッサージ店の看板も沢山見かけるようになっている。鮨店と眼鏡店は、新開店だらけで、少し飽和のようである。

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