「11月の近頃」
小池百合子都知事が今月初め、パリ市に現れて大風呂敷をひろげた、といっては悪い表現になるかもしれない。パリ市役所の前広場に大きな仮設テントを風呂敷柄の布で被い、中にいろいろな日仏有名人デザイン図柄の風呂敷を作らせて一週間展示したのである。これも「ジャポニスム2018」の、安倍首相主唱の行事に協賛の一つで、イダルゴ(パリ)市長と交歓。2020年の東京オリンピックとパラリンピックの前宣伝を兼ねて、その次の2024年オリンピック開催都市パリと東京都の間で、スポーツ、環境、文化、観光、四つのテーマに協力都市提携を結ぶサイン交換もされた。風呂敷は、現在ゴミ公害で問題になっている、ビニール袋に代わるものとして、環境にやさしい東京からの提案だそうで、6日間のテント展示に2万人のパリジャンが、外に長い行列作って見物に押しかけた。
2年間スポンサーの関係で開かれていなかった「ロン・チボー・クレスパン」音楽コンクールが再開された。1943年から始まっている、ピアノ、バイオリン、歌唱、3部門の国際登竜門に有名な、格式の高いコンクールである。今年はバイオリンコンクールの年で、11月10日が決勝演奏、ウクライナ人の28才の女性が栄冠に輝いた。日本人は17名応募していたそうであるが、ファイナルの6名に残ったのは26才の男性1人で5位だった。実は2位の女性も両親は日本人であるが、ドイツで生まれ、米国で育ち、現在はドイツで音楽勉強中の、国籍はアメリカ人という、24才の日系女性であった。4才から始めたというから、音楽の世界もプロになるには、いろいろ厳しい世界だなと、感じる。
2018年11月12日 赤木 曠児郎
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