「10月の出来事」
今日は第2陣の大型呼び物、日本の縄文文化展がパリ日本文化会館の大展示場でオープンした。12月初旬まで続くが、国宝や重要文化財になっている、今から13,000年前に始まる日本の先史時代の縄文土器や生活用品が、64点パリに運ばれ展示である。以前、25年前のオープニングの頃にも一度縄文展を開き、続いて埴輪展、いずれも過去に大成功をおさめていて、フランス人は発掘文化好きでファンが多い。東日本、東北、北海道に及ぶ、近年発掘された縄文土器群は、興奮を呼び起こすのに間違いない。
一方、国立ギメー美術館(別名国立ルーブル美術館東洋部)では、「明治」と題された展覧会もはじまり、明年1月半ばまで展示される。近年、江戸文化にばかり注目ライトアップされていて、趣味の悪いゴテゴテの職人芸と見捨てられていた、文明開化期明治の文化の見直しが始まりそうである。手の込んだ、技術の粋を盡した日本の工芸品は、外国にファンが多く、当時の大事な日本の輸出産業だったのである。世界の美術館や個人コレクションに集められた350点の、陶磁器、屏風、置物などの明治の工芸品が、日本人の私たちの目を見開かせてくれそうで、必見である。
演芸関係も、市内であちこち連日であるが、演劇、舞踏、文楽、雅楽、狂言、太鼓などなど、いずれも1~2日のパリ公演で、こちらも追っていてはキリがないような感がある。
2018年10月17日 赤木 曠児郎
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