ビクトアール通り 63、63bis、65番地
「2017、年末のこの頃」
SNBA(ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール)訳すと国民美術協会となる。美術家の集まった公募団体で、1891年に発足スタート、年一回美術展を開くが、近年はルーブル美術館の地下入り口構内にある、カルーセル・デュ・ルーブル催し会場を使用して、4日間開かれる。フランスの美術団体なのに、約320名の入選出品作家中、今年は78名の日本人作家という賑やかさだった。黒田清輝が第3回展に入選、その年日本に帰国して現在の東京芸大の西洋画科を開設した源流だし、岡山出身の児島虎次郎が日本人で始めてこの会の会員になって、倉敷の大原美術館、日本で第一号の西洋美術館は、大原パトロンの依頼でこの児島が最初買い集めたものである。横山大観や竹内栖鳳を会員に迎えていたり、ロダンが会長の頃もあって、19世紀末から日本とも関係の深い団体の歴史。それで現在でも、パリで発表の場所がルーブルの構内で、ますます人気なのかなと思う。今年は日本から日本画の福王寺一彦芸術院会員が参加して、大作のコーナーを開いて注目させられ、西欧と日本の出会いの場なのである。ただし、今年は3日目に会場の地下施設部分から火災が午後発生、煙被害のため2日半で会場閉鎖の大騒ぎ。同じ日の午前中に、近くでフランスのロック歌手ジョニー・アリディの葬儀があり前大統領2人、現大統領と3人までも並んで参列、700台のハーレーダビッドソンのモーターバイクでシャンゼリゼ通りを葬列行進、ヴィクトル・ユーゴの葬儀以来の国民的大葬儀となりこの日のテレビを独占、人気をみせつけ、午後は共和国広場でフランス第二の人口を誇る宗教のイスラム教徒が、トランプ米大統領発表の、エルサレムをイスラエル首都の扱いに大反対、大デモで騒動もあったり、こちらは火災避難、大荒れの土曜日の一日であった。
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