「日本で思ったこと」

　パリ日本文化会館が出来て２０周年記念行事に大阪の国立文楽劇場の公演が3夜あった。20名ばかりのスタッフが来仏、ここの文化会館では初めての本格的パリ公演であった。少しばかり言わせてもらうと、何度も大阪に行くのだがこの国立文楽劇場、見られたことがないのである。昼11時開演、午後4時開演は仕方ないとしても、月の内半分しか演じられていないし、今月は東京の国立劇場の方に行ってやってませんとか、休み休みばかりで、何時もこちらのスケジュールと折り合わず、先日も建物と劇場設備が見たくて、講談の襲名披露公演に貸し出されているのに入れたのであった。もし観光立国するのであれば、やはり本当のファンを増やすためにも、毎日定期的に公演されていなければ、無意味なのではなかろうかと思うし、「離れたパリで、文楽にお目に掛かれるとは光栄です」と、座長さんに一言挨拶せずにはいられなかった。

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