ノートルダムデシャン通り 86番地の
アトリエビル
「フランス流消夏法」
フランスの政界はマクロン旋風が吹いて、どんなに変わるかみんな新期待だが、皆の生活は変わらない。まず二ヵ月のバカンスが、目下は第一。セーヌ河畔に今年も第16回目「セーヌビーチ」が開かれて、日の長い一日の、仕事後の余暇の日中を楽しんでいる。車の走る車道を追放して、砂を運びこみプールを作り、海岸風景に仕立てる。町中の街路樹の木陰を活かし、道路上にまでカフェテラスは拡張されるし、都会を人間の集まって暮す空間に、取り戻す努力がされている。政治が産業重視の時代は、車を便利に沢山乗り入れさせて、車や産業を振興させて経済優先、活性化と思われていたのだが、街が住めなくなって寂びれてしまった。今では車輌の方を制限して人間中心、人が集まって歩いている都会の復活に、パリは成功していると思う。
フランスは海とヨットの盛んな国で、車に別荘のお次は、個人でクルーザーやヨットを持つ趣味の人が多い。ゴルフはあまり盛んではなくて、海と船の趣味の人が沢山いて、海の話題が専門の番組時間や、大きなヨットレースのニュースに力が入り、水辺には沢山のヨットハーバーがあって、いろいろな個人の持ち船が繋がれて、大変に盛んなのである。先週も新型のカタマラン(平底のカヌーを2艘並行に繋いで、超高速で海の上をすべるように走るヨット)が作られ、太陽電池満載、最新の海水利用水素蓄電池搭載で、一切燃料不要。エネルギーオブサーバーという会社で作られて世界初公開、これから6年かけて世界の海を一周させるのだそうである。2021年には知床岬から、東京、藤沢にも寄るという。藤沢は、化石燃料を使わない努力をしている新都市として知られているのが、わざわざ寄る理由。新フランス環境大臣とパリ市長によって、オープニングされ、7月半ばまではエッフェル塔に近いセーヌ左岸、バトームーシュの対岸で見学できる。
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