「フランス大統領選挙」

 パリは今週、ファッションウイークである。催しに欠かない大都会であるが、先週の注目は、ヴィレットのホールで開かれた、入れ墨見本市であった。こちらの人は入れ墨が大好きで、13%のフランス人が入れ墨を入れ、恰好いいと思っているらしい。全身に派手な変わった色彩で絵を描いた、凄い外人もテレビで紹介され、日本人のお兄さんも霞むようなもの凄さ、それも若い男女両方にファンがいて、入れ墨屋さんが至る所にあるので、驚かされる。
 我が家の近くのブールデル美術館では、昨7日から7月半ばまで、19世紀のブールデルの彫刻と、そのすき間に「バレンシャガ」の黒い服だけを68点並べた展覧会が、パリ市ガリエラ衣装博物館の館長さんのアイディアデで企画され、初日無料招待日押し掛けたパリジャンの行列の凄さに驚かされる。モンパルナッスのブールデル美術館は次々と継ぎ足されて広大で、19世紀のこの彫刻の大家が生きていた時代の雰囲気が良く再現されて、見応えがありお勧めである。バレンシャガは1968年隠退して、高級洋裁店を閉めたが、現代の若い人、社交界の人が、こんなに押しかけるのは、素晴らしいと思うし、人々が常にイベントを求め、人と触れ合いたいと願っているのだなと思う。

2017年3月10日 赤木 曠児郎

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