「スキーバカンスのパリ」

 先日の新聞の経済欄にソニーと大きな記事がある。アルザス地方にあったソニー現地工場の撤退で、ブルターニュ地方にあるフランスの電気関係の企業が買い取るらしいが、これでフランスにあったソニーの工場は全面撤退となる。失業者の増加に悩むフランスでは、650人の職場が、政府の一番の心配点である。ロワール河流域トゥーレーヌ地方にあった、神戸の甲南学園の高等部、中等部、理想的な環境で全寮制一貫教育で始まったが、22年続いて今年の3月で閉校。昨年9月末で大阪市パリ事務所も撤退。何時かは起きることだが、少しさびしい。バブルの時代に日本企業がドンドン進出したが、その当時450名の定員で、空席順番待ちだった日仏文化学院パリ日本人学校も、現在は200名の生徒である。それだけ海外出向の邦人家族が減っている訳である。先日も旭化成の所長さんと偶然一緒になり、昔は事務所が近所でと話したら「うちがパリに事務所があったのですか」と驚いている。化繊で撤退したが、現在はソーラーパネルでの再進出、昔のことはよく知って居られないのであった。YKKさんも長く続いているがファスナーより他の建材の方が主力。変わらなければ生き残れない厳しさ、出る時はみんな華々しいが、去る時はソッとである。

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