「日本をフランス人と回ったこと」

 中国系の企業から、記者会見の知らせを受ける。会場はサントノーレ通りの、5ッ星高級ホテルのマンダリンオリエンタル。このホテルは、丁度一年前にオープンしたばかりで、話題の中国系豪華ホテルなのである。フランスのリュクセンブルグ国境に近いモーゼル県が、130ヘクタールの土地を提供して、ITEC国際工業貿易団地を作ろうと言う案で、中国が資本参加、中国企業との交流が対象主目的にされている件の、記者会見だった。2年後にオープン予定で、丁度、県議会が設立承認したところ。現在、船便で35日間掛かる物流も、宅急便トラックが毎日出発、モスクワ経由で15日で、この団地と広州が結ばれるとか、いろいろの企画が発表される。豪華ホテルに100名足らず集まったが、中国人記者も多い中で、30年前、パリの日航ホテルの開かれた頃、日本もこんな会見がよくあった、この隣のインターコンチネンタルや、グランドホテルが西武グループの持ち物だったり、チサングループのホテルも近くにあった。東京都事務所もこの側だったと、今は消えてしまったバブル時代の日本企業も、ソックリだったと思い出していたのである。外国資金を集めては、上手く乗せて生き抜く、フランスは巧みなものだと、長時間の次々の演説挨拶を聞いていたのである。
 

page2/3