テラスからのパリ
テラスからのパリ
 

「もう2月、早い」

 洋裁業が出たついでに、1月末には三日間のオートクチュールコレクション週間もあった。世界的金融不況、失業、デモの波、それはそれ、こちらはこちらで、大勢のお洒落夫人が押しかけてかわらず、賑やかなものだった。日本人では桂由美さんが一人頑張っている。パリにも店を作ったが、本体が結婚衣装の特殊分野、年に一回しか開かないから、組合メンバーには入れないのだが、もうわが道を行くの人。
 この週間にぶっつけて、フォーシーズンホテルのサロンを会場に借りて、フランスマスコミはまことに差別社会だから、一言も報道しないが、続けているのである。クチュール組合メンバー入りには差別されても、確実にファンや、お客を増やし、、招待客の大混乱にもなれ、整備方法も整ってきている。何より興味あるのは、近年「和紙」という材料を工夫してドレスを作り上げて行く分野を開拓していることである。パリの誰も使っていない、たった一人のこの人独自のものを掴んだことである。真似したようなものを、いくら上手にこなして洋服作っても、誰もあまり評価しないし、消えてしまうだけだが、オリジナル、この点を尊敬してコレクションに出席させて頂いている。
 

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