フォーブル・モンマルトル通りで(1)-赤
フォーブル・モンマルトル通りで(1)-赤
 

「もうすぐクリスマスだよ!!」

 この週末の話題は、モンサンミッシェル湾の向かい側にある港、ブルターニュの観光地カンカールにある、三つ星の有名レストランのオーナーシェフが、ミシュラン社にたいして、もう結構だと、三つ星返上のニュースが、大きく取り上げられている。ミシュラン・ホテル、レストランガイドブックは、東京版も発行されて、日本でも話題だったか、要は旅行者のために、設備、清潔度、応対など、一定の基準を満たしている店を知らせるガイドブック。三つ星は憧れと夢だが、格式を維持するための、料理以外の維持経費も多く、結局は利益は殆ど出ないという。名誉ではあっても、ビジネスとしてはファーストフード店の方が利益は大きいのである。その上に、いろいろとセールスマンの売込みや、ジャーナリストが来て、自分の時間と、楽しんで料理をするゆとりもない奴隷みたいな暮らし、もう結構だと料理人の側から、返上である。
 パリでも、食通とか、通が集まると、実はミシュランに載っていないけれど、こんないい店があると、自分の取って置きの行き付けを持っているのが、本当の通である。ガイドブックは、見てくれは保証されるけれど、料理の腕の等級とか資格ではなく、見知らぬ町に行ったとき、便利のためのガイドブックがミシュランである。

2008年11月10日 赤木 曠児郎  
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