ブルボン河岸の屋敷の門(1)
 

「赤いコート」

 2月25日から3月4日までの週は、90ばかりの秋冬モードの新作発表のプレタポルテコレクションが続いた。うち日本人デザイナーも1割、9人ばかりパリに来て発表するが、ユキ・トリヰでは60数回、30数年春秋2回、本人が発表を欠かさないスーパー記録が続いている。昔は若向きヤング、一般の流行傾向などに影響されたりしていたが、この3シーズンは本人中心、自分が着たい服、銀座の老舗の凄さを感じさせられる風格が誕生したように思う。ハナエ・モリも消えたし、記録更新にも興味が引かれる。
 1月下旬には3日ばかりパリ名物のオート・クチュール・コレクションもあったが、目ぼしい店は5社ほどで、始めからイブニングドレス連続のレビューショーである。春先の原稿につけるための 日本人のカメラマンを探したが、現在殆ど皆が営業にならないので取材を止めてしまっていて、カメラマンが溢れていたのは一昔前の話になった。さすがプレタの今週はまだカメラマンも多いし、実際に人々の着る服なので、まだ世界から取材にも来て需要があるのだろう。デジタルIT時代で即効画像が流れるし、フィルムで撮影していた頃とは時代も変わってしまっている。

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