「近頃の流行」
フランス人は普通二度結婚式をする習慣である。離婚が普通で、もう1回二度目の式が平均、というのではない。まず住んでいる所か、本籍地の市役所で、市長さんが3色旗の襷(たすき)をかけての市民としての誓いの結婚式、登録され書類や証明手帖が渡される。それだけで終るカップルも多いが、続けてまた教会堂に会場を移動して、今度は自分たちの宗教による誓いの結婚式をするのである。信じてもいないのに見せ掛けだけ、形式の「結婚式」が好きで、結婚産業を栄えさせている日本が、周りから見て異常なのである。 昔からジューン・ブライド(6月の花嫁)という言葉があるくらいで、薔薇の花の開く良い気候の6月がヨーロッパで結婚式の多い月と習慣だったが、もう大きなお腹や、子供があっての親たちの結婚式も普通で当たり前だし、正式にキッチリするだけでも、まだましな方で、同棲の寄り集まりで付いたり離れたり、いろいろな父親の子供が入り交じって複合家族なんて言葉まで現れるのだから、フランスも時代は変わっている。