コメルス・サンタンドレ小路(1)
 

「パリ」

 パリに帰ってまた郵便局にかけつける。日本でも郵便局が大問題だったけれど。
 東京の日本橋、日本第1号の郵便局の上にも大きく「国際スピード郵便」EMSの大きな電気看板が出ている。世界中どこでも48時間以内に届きます。 誰でも信用して、1万円近い高い送料を払うのであるが、書類便の方はマズマズ届くのだが、問題は物品用の方で、フランスでは絶対と言ってよいほど届かないのだ。 フランスの配達組織が出来ていないので、届かないのである。
 貨物配達中型トラックで建物の前を通る。運転手兼配達人一人っきり。路面に面した個人商店で営業時間中ででもあれば届くが、 個人のアパート、建物入口の扉のコードがあったり、門番でも居なければトラックは通過。そのまま地区の郵便局にポンと置いて帰ってしまうのである。 通知の紙も何も一切無し。郵便局も預かるけれど、通知の義務は無いのでただ預かるだけ。
 受取人が送り主から何月何日にこの番号で送りましたからと、その番号を持って二週間以内に受け取りに行けば、ちゃんと渡してくれる。 知らないでいると、二週間後に自動的に送り主に返送されてしまうのである。
 相手方に別に通知をすぐ出して、正式な番号と発送日を知らせて頂かねばどうにもならないので、日本の宅配便とは違うのである。


2005年8月23日 赤木 曠児郎  
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