窓からの風景
 

「この頃のこと

 フランスで会議にゆくと、物事の意見には、必ず反対の見方、反対の意見もあるもので、参加者全員一同一致の決定は無効との、伝統の決まりも生きている。一人だけ反対を言うのは、勇気がいるし、気がひけるものだが、討論するために集まっているのだから、この国では反対意見でも別に悪いわけではない。この国では話し合って、皆で決定したことには、後それに従えばよいのである。
 誰も自分の意見も、考えも発言しないで、黙々と従う社会の方が、不気味で不安、少々の反対デモやストライキのあった方が、当たり前で健全と思っているので、寛容と思えるまでに許せるのだろう。
 また何時自分も、反対意見を主張する必要が生じるかもしれないのだから、塞いでしまってはいけないのだ。
 上からの意見が絶対なんて社会でなくて、成熟した社会になっているなと感心することが多い。
 なおご心配なく、少しはストにあって不便することもあるかも知れないが、国際会議、展覧会、劇場、コンサート、社交パーティ、冬季の都会での社交シーズンに入り、自然に開かれ、有名レストランも賑わっています。

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