今週の詩
2024.11.18.~2024.11.23.
永瀬さんは、
現在の岡山県赤磐市松木で暮らし始めた頃、
山の木を切って薪を作って、かまどでご飯を炊いていた時期がありました。
世帯場すなわち台所には、まだ電燈がついていなかったので、
ゆれる焰、薪のはじける音などを感じながら
ご飯を炊いていたのだと思います。
のちに永瀬さんは、
「何だか原始的な焰の美しさが私にはうれしくて、
あとで電燈をつけて貰えた時、動かぬ平凡な光に逆にがっかりした」
(『すぎ去ればすべてなつかしい日々』)
と当時を振り返っています。
焰を見つめていた時間は、
小さいながらも確かな喜びの時間だったのではないでしょうか。
<文・白根直子>
『 焰について 』
永瀬さんは、
現在の岡山県赤磐市松木で暮らし始めた頃、
山の木を切って薪を作って、かまどでご飯を炊いていた時期がありました。
世帯場すなわち台所には、まだ電燈がついていなかったので、
ゆれる焰、薪のはじける音などを感じながら
ご飯を炊いていたのだと思います。
のちに永瀬さんは、
「何だか原始的な焰の美しさが私にはうれしくて、
あとで電燈をつけて貰えた時、動かぬ平凡な光に逆にがっかりした」
(『すぎ去ればすべてなつかしい日々』)
と当時を振り返っています。
焰を見つめていた時間は、
小さいながらも確かな喜びの時間だったのではないでしょうか。
<文・白根直子>
永瀬清子さん プロフィール
過去の放送をPodcastで配信中!
朗読
- RSKアナウンサー
- 小林 章子
- (こばやしあきこ)
岡山市生まれ。
RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。
2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」
2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」
2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。
1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。
1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。
多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。
戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。
岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。
また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。