今週の詩
2024.7.15.~2024.7.20.
『 私は地球 』
永瀬さんの詩は、驚きや発見に満ちており、
「私は地球」もそうした詩のひとつです。
「私」と「地球」を等しく捉え、大きく広く、小さく狭く、
視点を変えながら書かれています。
たとえば、一人の愛は「ペンペン草のかげで雨やどりしているようなもの」と頼りなく弱いものです。
ところが、その愛は「挫折の時に/ついに押しつつむ屍衣」、
つまり、
時としてどのようなことも受け入れて包み込む大きさ、強さとなるのです。
「私」が秘めていた愛の力に驚かされます。
詩人の井坂洋子さんは、
「おどろく」「おどろく」と続いていることを、この詩の特徴の一つと指摘しています。
「おどろく」は、
リズミカルに、まるで「四十億年」という果てしない時間の中で受け継がれていく生命のように、
この詩の中で繰り返されていきます。
永瀬さんの詩に驚かされるのは、こうした視点と表現にもあるのではないでしょうか。
<文・白根直子さん>
「私は地球」もそうした詩のひとつです。
「私」と「地球」を等しく捉え、大きく広く、小さく狭く、
視点を変えながら書かれています。
たとえば、一人の愛は「ペンペン草のかげで雨やどりしているようなもの」と頼りなく弱いものです。
ところが、その愛は「挫折の時に/ついに押しつつむ屍衣」、
つまり、
時としてどのようなことも受け入れて包み込む大きさ、強さとなるのです。
「私」が秘めていた愛の力に驚かされます。
詩人の井坂洋子さんは、
「おどろく」「おどろく」と続いていることを、この詩の特徴の一つと指摘しています。
「おどろく」は、
リズミカルに、まるで「四十億年」という果てしない時間の中で受け継がれていく生命のように、
この詩の中で繰り返されていきます。
永瀬さんの詩に驚かされるのは、こうした視点と表現にもあるのではないでしょうか。
<文・白根直子さん>
永瀬清子さん プロフィール
![永瀬清子さんの写真](img/nagase _kiyoko.jpg)
過去の放送をPodcastで配信中!
朗読
- RSKアナウンサー
- 小林 章子
- (こばやしあきこ)
岡山市生まれ。
RSKイブニングニュースで永瀬清子さんをテーマに取材。
2003年 第29回アノンシスト賞・優秀賞「テレビ 実況・フリートーク部門」
2010年 第36回アノンシスト賞・優秀賞「CM部門」
2013年 第39回アノンシスト賞・優秀賞「ラジオ 読み・ナレーション部門」など受賞。
1906年、現在の岡山県赤磐市に生まれました。
1995年、89歳の誕生日に生涯を閉じるまで、生涯現役の詩人を貫いた「現代詩の母」です。
多感な時期を金沢・名古屋で、結婚して大阪・東京で暮らし、1945年に夫の転勤で岡山市に帰りました。
戦後、現在の岡山県赤磐市松木で農業に従事しながら詩を書き、詩の雑誌「黄薔薇」を創刊。
岡山県詩人協会の初代会長も務め、後に続く詩人を育てました。
また、ハンセン病の入所者とともに詩を書き、選挙により豊田村の教育委員、岡山家庭裁判所の調停委員、世界連邦運動に参加、近代岡山の女性史研究を行うなど幅広い活動も知られています。